住宅取得の際の贈与税の特例について知りたいのですが…
2022/08/13
不動産お役立ち情報
住宅取得の際の贈与税の特例
父母や祖父母など直系尊属から住宅取得等のための資金の贈与を受けた場合で、一定の要件を満たすときには、①住宅取得等資金の非課税と②相続時精算課税選択の特例の適用を受けることができます。なお、①及び②は重複して適用を受けることができます。
住宅取得等資金の非課税
令和4年1月1日から令和5年12月31日までの間に父母や祖父母など直系尊属から住宅用の家屋の新築若しくは取得又は増改築等(以下「新築等」といいます。)のための金銭の贈与を受けた場合において、一定の要件を満たすときは、贈与を受けた方ごとに500万円(省エネ等住宅の場合は1,000万円。以下「非課税限度額」といいます。)まで贈与税が非課税となります。
注1:令和3年以前に住宅取得等資金の非課税の適用を受けた方は、原則としてこの非課税の適用を受けることはできません。
注2:この特例と併せて「住宅借入金等特別控除」を適用した場合には、住宅の取得等の対価の額から、この贈与の特例の適用を受けた金額を控除した金額に基づき控除額を計算する必要があります。
注3:省エネ等住宅とは、エネルギーの使用の合理化に著しく資する住宅用の家屋、大規模な地震に対する安全性を有する住宅用の家屋又は高齢者等が自立した日常生活を営むのに特に必要な構造及び設備の基準に適合する住宅用の家屋をいいます。
〈非課税限度額〉
受贈者ごとの非課税限度額は、新築等をする住宅用の家屋の種類に応じた金額となります。また、原則として、既にこの特例の適用を受けて贈与税が非課税となった金額がある場合には、その金額を控除した残額が非課税限度額となります。
〈非課税適用者の主な要件〉
イ・ 受贈者は贈与を受けた年の1月1日において18歳(令和4年3月31日以前の贈与については20歳)以上で、その年の所得税に係る合計所得金額が2,000万円以下(新築等をする住宅用の家屋の床面積が40㎡以上50㎡未満の場合は1,000万円以下)であること
ロ ・受贈者は贈与を受けた時に贈与者の直系卑属であること
ハ・ 贈与を受けた年の翌年3月15日までに、その金銭の全部を〈特例の対象となる贈与の要件〉を満たす住宅(その敷地の用に供される土地等を含みます。)の新築若しくは取得の対価又は増改築等の費用に充てること
ニ・ 贈与を受けた年の翌年3月15日までにその住宅に居住しているか、又は同日以後遅滞なく居住することが確実であると見込まれること
〈特例の対象となる贈与の要件〉
イ・ 住宅の新築の対価に充てるために受ける金銭の贈与
ロ・ 建売住宅又は昭和57年1月1日以後に建築された中古住宅若しくは地震に対する安全性に係る一定の基準に適合する中古住宅の取得の対価に充てるために受ける金銭の贈与
ハ・ 居住の用に供している住宅の増改築等(一定の修繕又は模様替に該当するものに限ります。)の費用(100 万円以上であるものに限ります。)に充てるために受ける金銭の贈与
注1:イ~ハの住宅は日本国内にあり、かつ、床面積(増改築等の場合は増改築等後の床面積)が、40㎡以上240㎡以下であることが必要となります。
注2:イの金銭には住宅の新築とともに取得するその敷地の用に供される土地等又は住宅の新築に先行して取得するその敷地の用に供されることとなる土地等の取得の対価に充てるために受ける金銭を含みます。
注3:ロ及びハの金銭にはこれらの住宅の取得又は増改築等とともに取得するその敷地の用に供される土地等の取得の対価に充てるための金銭を含みます。
注4:ロ以外の中古住宅を取得した場合であっても、その中古住宅に耐震改修を行い、地震に対する安全性に係る一定の基準に適合するなど一定の要件を満たすときは、住宅取得等資金の非課税の適用を受けることができます。この場合、耐震改修を行うことについての申請などの手続(中古
住宅の取得前に手続を行う必要があります。)や耐震基準に適合することについての証明が必要となります。詳しくは、税務署にお尋ねください。
〈手続方法〉
贈与税の申告期間内に、贈与税の申告書に「住宅取得等資金の非課税」の適用を受ける旨を記載するとともに、受贈者の戸籍の謄本、登記事項証明書などの一定の書類を贈与税の申告書に
添付して税務署へ提出する必要があります。
注1:省エネ等住宅に該当する場合には、上記に加え、住宅性能証明書などの証明書が必要となります。
注2:申告書に不動産番号等を記入することなどにより、登記事項証明書の添付を省略することができます。
相続時精算課税選択の特例
平成15年1月1日から令和5年12月31日までの間に住宅用の家屋の新築等のための金銭の贈与を受けた場合には、次の要件などを満たせば、贈与者(父母や祖父母など)が60歳未満であっても相続時精算課税を選択することができます。
注:この特例と併せて「住宅借入金等特別控除」を適用した場合には、住宅の取得等の対価の額から、この贈与の特例の適用を受けた金額を控除した金額に基づき控除額を計算する必要があります。
〈相続時精算課税選択の特例適用者の主な要件〉
イ・ 受贈者は贈与を受けた年の1月1日において18歳(令和4年3月31日以前の贈与については20歳)以上で、かつ、贈与者の直系卑属(子や孫など)である推定相続人又は孫
ロ・ 贈与を受けた年の翌年3月15日までに、その金銭の全部を〈特例の対象となる贈与の要件〉を満たす住宅(その敷地の用に供される土地等を含みます。)の新築若しくは取得の対価又は増改築等の費用に充てること
ハ・ 贈与を受けた年の翌年3月15日までにその住宅に居住しているか、又は同日以後遅滞なく居住することが確実であると見込まれること
〈特例の対象となる贈与の要件〉
「住宅取得等資金の非課税」の〈特例の対象となる贈与の要件〉イ、ロ、ハ(注書を含みます。)に該当する必要があります。
ただし、「住宅取得等資金の非課税」の〈特例の対象となる贈与の要件〉注1の家屋の床面積(増改築等の場合は増改築等後の面積)については、40㎡以上であることが要件となります。