相続したときの税金
2022/08/17
不動産お役立ち情報
相続税とは、人が亡くなった時に、その亡くなった人(被相続人)から財産の移転を受けた場合にかかる税金です。この相続税は、相続や遺贈(遺言によるもの)によって財産を取得した個人に対して課されるものですが、その財産の課税価格の総額が遺産に関わる基礎控除以下であれば課税されない事とされています。
相続税のかかる財産とは
相続税のかかる財産は、亡くなったひとすべての財産が対象となりますが、お墓や仏壇などの特定のものは対象とされません。また、生命保険金や死亡退職手当金などは、亡くなった後に配偶者(妻・夫等)などが受け取るもので、相続によって取得したものではありませんが相続財産とみなされ相続税の対象となります。
・相続や遺贈(遺言によるもの)による取得財産
土地、建物、株式等の有価証券、預貯金、現金、貴金属、書画骨とうなど(個人営業の場合には、売掛債権、受取手形などの営業上の財産も対象となります)
・相続や遺贈によって取得したものとみなされる財産
生命保険金、死亡退職金、生命保険契約に関する権利、定期金に関する権利など
・相続税の対象とされない財産
相続人のもらった生命保険金等の合計額のうち、法定相続人一人あたり500万円までの額(相続人全体で計算します)、相続人のもらった退職手当金等の合計額のうち法定相続人一人当たり500万円までの金額、墓所、仏壇、祭具、国等に寄付した財産など。
法定相続分とは
法定相続分とは、民法によって各相続人が取得する財産の割合を定めているものです。これは法律で定められた権利の割合ですので実際上は相続人の協議によって各相続人の取得する財産の配分を決めることになります。
法定相続分は下記のとおりとなっております。
●相続人
・配偶者と子供(1名)の場合=配偶者2分の1、子供2分の1。
※子供が複数人いる場合はその子供間では均等となります。
例:配偶者と子供3人の場合=配偶者2分の1、子供(1人につき)3分の1
・配偶者と直径尊属(父母など)の場合=配偶者3分の2、直径尊属3分の1
・配偶者と兄弟姉妹の場合=配偶者4分の3、子供4分の1
※法定相続人とは、相続の放棄があった場合でも、その放棄が無かったものとした場合の相続人を言います。
相続税額の計算方法
1.課税価格の計算
相続税にかかる財産の価額-債務及び葬式費用+生前贈与財産の価額(死亡前3年以内に贈与されたもの)=課税価格(各人別に計算します)
2.課税遺産総額
各人の課税価格の合計額-基礎控除額=課税遺産総額
基礎控除額は以下の算式で計算します(平成27年1月1日移行の相続)
・3,000万円+600万円×法定相続人の数
各人の課税価格の合計額が基礎控除額以下であれば相続税はかからないことになります。
※法定相続人の中に用紙がある場合において、上記の算式の法定相続人の数に含めることができるのは、養子以外に実子がいるときは1名のみ、実子がいないときは2名までとされております。
3.相続税の総額の計算
課税遺産総額×法定相続人の法定相続分の割合×相続税の税率=各人の法定相続分に対する税額
各人別の法定相続分に対する税額を合計したものが相続税の総額になります。
<相続税の速算表>
4.各人の算出税額の計算
相続税の総額×(各人の実際に主奥下財産の課税価格÷課税価格の合計額)
各人別に計算します。
※配偶者および一親等の血族(子供や親)以外の人が財産を取得した場合には、2割増の税額となります。また、被相続人の養子となった被相続人の孫(代襲相続人であるものを除く)も2割増の税額となります。
5.税額から控除されるもの
●配偶者の軽減税率(いづれか少ない方)
・相続税の総額×(配偶者の実際に取得した財産の課税価格÷課税価格の合計額)
・相続税の総額×((課税価格の合計額×法定相続分(最低1億6千万円)÷課税価格の合計額)
配偶者が実際に取得した財産の価額が、課税価格の合計額に配偶者の法定相続分を乗じた金額と1億6千万円のいづれか多い方の金額までであれば、配偶者の納付すべき相続税額はゼロとなります。
<相続税の計算例>国税庁HPより抜粋
まとめ
この他に、贈与税額控除、未成年者控除、障害者控除、相次相続控除、外国税額控除があります。
このように相続税の計算は、かなり複雑になっておりますので国税庁HPや税理士へご相談ください。