新築戸建ての購入にはどんな手続きが必要?入居までの流れについて徹底解説
2022/09/26
売りたい・買いたいマニュアル
新築戸建てを購入する際、物件選び以外にも資金計画や購入後の手続きなど、多くの手順を踏む必要があります。多くの人が初めて経験することばかりで、どこから手をつけたらいいのか、どのような流れで進めればいいのか迷うところでしょう。
本記事では新築の建売住宅を購入するケースに焦点を当てて、マイホームの購入を検討し始めてから購入後に必要な手続きまで解説します。
1.新築戸建ての購入の流れ
新築戸建てを購入する際、つい前のめりになって物件情報からチェックしがちです。しかし、ライフプランやライフスタイル、予算にあった新築戸建てを手に入れるには、正しい手順を踏む必要があります。
【新築戸建てを購入する流れ】
1.資金計画を立てる
2.物件を探す
3.住宅ローン選び・事前審査
4.購入申し込み
5.売買契約
6.住宅ローン本審査
7.残金決算と引き渡し
8.確定申告
それぞれのステップについて詳しく見ていきましょう。
1)資金計画を立てる
マイホームの購入を検討し始めたら、住宅展示場に行ったりカタログを見たりする前に、資金計画を立てておくことが重要です。
資金計画では、今手元にどれくらいの資金があるのかを把握したうえで、住宅ローンを組んだ時に毎月いくらであれば無理なく返済できるのかを計算し、購入する住宅の予算を決めていきます。
ここで大切なのは、手元にあるお金をすべて住宅購入費用に組み込まないこと。住宅ローンの返済中に、万が一失業や病気により収入が途絶えてしまった時のため、3ヶ月~6ヶ月分の生活費を「生活予備費」として残しておきます。また、子供がいる・子供が生まれる予定の家庭の場合は教育資金、車を購入する予定がある場合は購入費と維持費など、将来的に必要になる費用分も残しておきましょう。
上記の生活予備費などの現金を手元に残したら、それから先のライフプランや収入の変動なども考慮したうえで、住宅ローン完済まで無理なく支払い続けられる金額を算出します。
2)物件を探す
予算の目途がついたら、いよいよ物件探しに入ります。新築戸建てを購入する方法は大きく分けて2つ。物件の売主である不動産会社から直接購入する場合と、仲介会社に依頼して購入する場合です。
仲介会社に依頼することで、希望するエリアや予算、間取りや設備などを伝えるだけで、物件を探してもらえるというメリットがあります。ただし、仲介会社に依頼すると報酬として仲介手数料を追加で支払わなくてはいけない点に注意しましょう。仲介手数料の金額は宅地建物取引業法により上限が設定されていますが、取引金額によっては仲介手数料だけでも100万円以上かかるケースも少なくないため、余計な費用を払いたくない場合は、売主から直接買える物件を探すのをおすすめします。
3)住宅ローン選び・事前審査
いくつか見学をして申し込む物件が定まったら、住宅ローンの審査を先に始めておきます。住宅ローンの審査には「事前審査」と「本審査」の二段階があり、購入申し込みの際に「事前審査」が完了していることが条件になる場合もあります。
住宅ローンの審査を二段階に分けて行う理由は、売買契約締結後に本審査に通過しなかった場合に融資が受けられない=物件を購入できないということになり、他の住宅ローンに申し込んだり、売買契約自体を解除したりしなくてはいけなくなる可能性があるためです。住宅ローンの本審査は結果が出るまでに1ヶ月程度かかることも珍しくなく、審査が通らなかった場合に双方に大きな損失が出てしまうのです。
こうしたリスクを排除するためにも、事前審査により購入希望者の支払い能力や与信をあらかじめ審査しておき、住宅ローンを問題なく返済できるであろう人のみ、売買契約に進めるようにしておく必要があるのです。
4)購入申し込み
住宅ローンの事前審査申込と同じタイミング、または審査が完了してから、売主に対して「購入申し込み(購入予約)」の書類を提出します。
申込書には購入時の希望代金や引き渡し日などを記載します。売主はこの情報をもとに、申込者に物件を売却するか、売却する場合は価格設定をどうするかなどを検討し、必要に応じて不動産会社を通じて交渉を行うことになります。
なお、購入する物件によっては、購入する意思を明確に示すために、2~10万円程度の「申込証拠金」を準備する必要がある場合もあるため、事前に確認しておくと安心です。申込証拠金は申し込みをキャンセルした場合には全額返金され、契約締結に至った場合は売買代金に充当されます。
5)売買契約
住宅ローンの事前審査が完了し、売主からも承諾が得られたら、売主と売買契約を締結します。購入申し込みから1週間~10日後に締結するのが一般的です。
仲介会社が間に入る場合は、売買契約締結前に宅地建物取引士による「重要事項説明」が行われます。重要事項説明では、売買の対象となる不動産の所在地や権利情報、構造や設備の状態、違約金に関する取り決めなどの詳細説明をします。最終的に物件を購入するかを判断する重要な内容で、すべて承諾した場合に売買契約書への署名捺印が行われ、買主から売主に対して手付金(売買代金の一部)を支払うという流れです。
6)住宅ローン本審査
売買契約を締結後に、住宅ローンの本審査が行われます。本審査は事前審査時の情報をもとに行われますが、申込者の他の借り入れ状況や職場の勤務年数、過去の滞納履歴などをより詳細に審査するため、事前審査よりも結果が出るまでに期間がかかります。
また、事前審査時に申告した内容と本審査で参照する内容に相違がある場合には、結果が出るまでに1ヶ月以上かかる場合もあるということを押さえておきましょう。
7)残金決算と引き渡し
無事に住宅ローンの審査が通ったら、残金決算(既に支払った申込証拠金・手付金を除いた売買代金の残りの支払い)を行い、契約書で定めた期日に物件の引き渡しを受けましょう。
8)不動産売買後は確定申告を忘れずに行う
不動産売買は物件の引き渡しをうけて完了ではなく、翌年の2月16日~3月15日の間に確定申告まで忘れずに行う必要があります。
住宅ローンを利用して不動産を購入した人の場合、購入の翌年に確定申告を行わないと「住宅ローン控除」という所得税控除の優遇を受けられません。住宅ローン控除の他にも、住宅取得時に受けられる補助金制度は多くあるため、事前に申請期間や必要書類を確認しておき、忘れずに手続きを行うようにしましょう。
まとめ
不動産売買は売買契約自体にも多くの手間と労力がかかりますが、物件探しの前の資金計画や、購入後の確定申告に及ぶまで、煩雑なプランニングや手続きが必要になる場面が多くあります。
不動産売買の基礎的な知識はしっかり身に着けたうえで、売買専門の不動産会社やファイナンシャルプランナーなどの専門家の力も上手に借りながら、理想的なマイホームを手に入れましょう。